令和7年4月より、当機構3代目理事長を拝命いたしました。当機構は、広島市により設置された5つの病院のうち、安芸市民病院を除く広島市民病院、北部医療センター安佐市民病院、舟入市民病院、リハビリテーション病院と、それらを統括する本部事務局よりなり、「医療機能の拡充」、「運営体制の強化」、「安定した経営の維持」を基本方針として広島市により設置されました。平成26年の設立以来、独立行政法人であるが故の自立性、機動性、透明性を生かした運営をめざしています。
その間、安佐市民病院は旧建物を改修して安佐医師会病院に、本体は安佐北区亀山に装いも新たな北部医療センター安佐市民病院として移転しました。現在、広島市内はもとより、広島県北部、さらには島根県域からの多くの患者の皆さんを受け入れる高度急性期病院として役割を果たしています。
広島市基町に位置する広島市民病院は、その規模、立地、医療内容のすべての面で、中四国圏域で文字通りトップレベルの医療を提供する中核病院です。また、G7サミットを初めとして多くの国際的要人来広の際のバックアップ病院としての役割も担っています。
舟入市民病院は、小児救急医療拠点病院と第2種感染症指定医療機関の指定を受け、令和3年の小児救急患者受け入れ数では全国2位の実績を上げています。
平成20年に安佐南区伴南に設置された広島市総合リハビリテーションセンターは、病院と自立訓練施設、身体障害者更正相談所の3施設で構成され、医療、訓練、退院後の生活支援まで一貫した回復期リハビリテーションサービスを提供しています。
4つの病院には各々特長があり、また異なる役割を持ちますが、患者さんの紹介や転院で密接に連携し、病院経営のノウハウはもちろん、積極的に人事交流を行い、同一機構組織にあることを生かしています。
現在、わが国の医療は令和6年度から始まった医師の働き方改革の施行とも相俟って、特に公的病院の経営が大変厳しい状況にあります。また、広島県では令和12(2030)年に開院予定の高度医療・人材育成拠点整備が進みつつあり、広島の医療はこれから数年間に極めて重要な転換期に入ります。当機構はそれらの時代の変化を鋭敏に捉えつつ、職員一丸となって市民の皆様により良い医療を提供して参ります。今後とも一層のご支援をお願いいたします。
令和7年4月
理事長 秀 道広